SHINKANSEN☆RS「五右衛門ロック」7月16日 マチネ

初参戦してきました。
新宿は、若干ニガテな土地なのですが。人の動きが読めなくて右往左往。
コマ劇場もなんだか道行く人にはあんまり親切じゃないし(^^;

でも、あれが60〜70年代の演劇を支えた新宿の劇場の中の一つだと思うと、寂しい気もします。
これを知ったのは蜷川さんのおかげかな。どうもです。




もぅほとんどネタバレしているような時期だと思うので、ちょこちょこストーリーに触れながら記憶している限りで書いていこうと思います。


【人物的なこと】
石川五右衛門役(古田新太さん)
とにかく安定しているし、笑わせてくださるし、色気もあったりで素晴らしいと思いました。
五右衛門は、ボケもやるし、突っ込みもたくさんあって、しかもずーっと出ずっぱりな印象でした。まぁ、強いて言えば歌と踊りがないのが少々残念ではありましたが(^^;


・真砂のお竜(松雪泰子さん)
不二子さんイメージ?なんですよね?要所、要所でお色気ムンムンでした。個人的に、最後のほうのクガイを助けに来たシーンがスキです。あと、五右衛門を滅多打ちにするのも良いですね。すみません、ほんとすまないのですが、どうも前半はあまり魅力を感じな・・・・・聞きづらい気がするんですよねぇ。特に歌になってしまうと。1幕で登場が長かったように感じるせいかなぁ。


・カルマ王子(森山未來さん)
今回、各所で賞賛を受けているようです。2000人の観客が入るコマ劇場で、いっちばん後方のB席でさえ、彼の殺陣は舞ってる様にしか見えません。「うわぁ、舞ってるよ、舞ってる」と思わずヒトリゴトをつぶやいてしまいました(笑)あとは、わりと戯曲に忠実なので、身体を動かせる部分で彼は彼なりのアドリブ等々を入れつつ、決めるところは決めてくださってます。欲を言えば、タップの音がね、一生懸命なのはすごく伝わってくるんですが、音響が良くないのか、川平さんが上手すぎるのか・・・テヘヘ。
カルマ王子は、複雑な環境で十数年生きてきて、それを支えたのが母の復讐という何とも悲劇的なお方です。その分、葛藤の表現が難しいですね。クガイの「お前はお前の用意した答えしか聞く気がない」はグサッときました。*1


・岩倉左門字(江口洋介さん)
私、今回一番驚かされたのが江口さんです。「江口さんが歌ってる〜」と左門字ギター侍のシーンは妙な感動を覚えたくらいです。ルパンでいう銭形平次ですね。「バカか」とよく言われている左門字ですが、そんな事ないと思うんだけどなぁ・・・すごく正直で真っ直ぐな人なんだと思います。五右衛門と同じく。だからどんな状況に置かれようとも、そんなに変わらずにいられるのではないかなぁ、と。最後は「情」で動くと自分でも仰ってますしね。


・ペドロ・モッカ(川平慈英さん)
いいですねぇ。川平さん。すんごくイイ。もぅ存在自体がイイ。足のステップがハンパないです(笑)
商人はあくまで商人。お金が全て。言ってる事は二転三転。それでも許されるのは、商人だから。すごいなぁ。


・シュザク夫人(濱田マリさん)
「ちっちゃいアナタ」がいいですね〜。会場を一つにしちゃうくらい、魅力ある歌です。濱田さんとじゅんさんの夫婦という設定もまさにマンガみたいだし、サービス精神旺盛なご夫婦です。濱田さんは「白夜の女騎士」でも拝見させていただきましたが、あの独特の声や演じるキャラクターがすごく目を引きます。独りで逃げようとしていた場面は違和感を感じますが、あれで何か変わるのかしら?


・ボノー将軍(橋本じゅんさん)
安心します。じゅんさんを見つけると。ほんっっとーーーーーに。そして、演出家公認のアドリブ全開にもぅ笑わされっぱなしです。セリフもすごく聞きやすいし、粟根さんとのカラミなんて最高です。戯曲を読めたので、更にじゅんさんの演技に脱帽しちゃいました。観客が求めているモノをきちんと汲み取って、倍返し位で返してくれる。すごいなぁ。。前作のマクベス夫妻を彷彿とさせる、シュザク夫人とのお子ちゃま夫婦空間があったり、思いっきり極悪になってみたり、ほんと走り回っていて大変そうですが、じゅんさん自身も楽しんでやってるぞー!という感じに受けとれるんで、好きにやってくださーい!という感じです。


・インガ(高田聖子さん)
身のこなしが・・・・軽い。男性出演者が多い中、松雪さんの美貌に負けず劣らずキャラが濃ゆい方です。男勝りなのにすごく一途、けどちょっと意地っ張り。五右衛門が惚れちゃうのも分かります。クガイに惹かれてしまう身ですが、昔の男には気付かれたくないという女性的な面もみせちゃったりする。かっわいいなぁ〜〜。「忍ぶ恋」でも笑わせていただきました。


・ガモー将軍(粟根まことさん)
うわーん。今回はあんまり目立ちません(泣)観劇最中も、どうしてもそれがね、悲しくて、悲しくて。あいかわらず、殺陣はキレイだし、小技がいっぱい聞いてるし、じゅんさんとのカラミ(戦い含め)はなんだかもぅ無償に嬉しくなってしまいます。あの二人が主役の作品とか観てみたいです。ぜったい通いますから。クガイに忠実なガモーですが、いつからカルマのお目付けになったのか、気になるところです(笑)


・クガイ(北大路欣也さん)
重々しく、威厳のある御方です。声がすごく素敵なのと、一つ一つの動作が格好良い。見るからに重そうなマントや甲冑(?)を身に着けているにもかかわらず、軽やかに動いています。
クガイは最初から全てを背負い、悪を選び続けてました。父親として息子を信じ、王として民と島を守る。それすら出来ない。ホッタル族と一緒にいるときのクガイは、とってもちっちゃく見えました。小さくて、切ない。



【ストーリー的なこと】
気になっている事をメモがてらのこします。
・ホッタル族は「赤い血が涸れると白い血が残る」と歌うんだけど、クガイは最後なぜか「真っ赤な血と真っ赤な肉と白い骨か」と言うんですね。中島さん原作の戯曲では当初「真っ赤な肉」もホッタル族の歌の歌詞にあるのですが、実際の歌では無い。どうして井上さんはそこを残したのかが気になる。
・ドラさんからも聞かれたけど「月生石」=岩塩=アヘンよりたちが悪い=???。塩(カリウム?)の過剰摂取によって高血圧などを引き起こす可能性があるのは調べたが、それ以上は分からず。ホッタル族の「月の石を削って命をつなぎ、その石で命を削る」がすごくひっかかります。
・そもそもなんで「月から生まれた石」なんだ?
・白波5人男(日本駄エ門、弁天小僧菊之助、忠信利平、赤星十三、南郷力丸)


井上さんごめんなさい、あんまり深く考えちゃ楽しめないですよね。。。



【舞台装置的なこと】
・もっとお金かけてもよかったじゃーん。とか思ったのにアンケートに書き忘れました(笑)
・今回は人を使って動かす場面が多いですね。船とか屏風とか。
・1幕どうしても気になったのがカルマ王子のタップ。ちょっと割れてるのがイヤ。
・床の波?は光るのですか?1回見ただけじゃわからん。
・歌舞伎の拍子木のタイミングがよう分からん。
・照明3回ぐらい変な動きをした気がするのですが・・・・。
・舞台上を一気に暗くして観客から全く見えなくする手法がすごい。
・今回、あんまり好きな照明は無かったな。これから見つけます。
・音響がちょいと・・・・・不満
・生バンドサイコーーーー!!!ノリ良すぎ!たぶんコマ劇場の人の中で一番ノってる♪♪



【全体を通して好きな場面】
クガイがカルマ王子へ「お前はお前が用意した答えしか聞く気はない。」
「ホッタル族の歌」が気になる。ぜったいなんかある。あの曲調はかなり好き。
左門字とホッタル族のラストシーン
クガイとインガのラスト会話シーン
カルマ王子がクガイに向かって頭を下げるところ



記憶うろ覚えですが、左門字とホッタル族のシーンからカルマ王子がクガイに向かって頭を下げる所まで結構ボロボロしてました。救われたのは、その後もまだ舞台は続いていたという事。


色々気になるところはありますが、最終的な解釈を出すのはもう少し先になりそう。
大阪、行きたいなぁ・・・・・・・・・・・・(泣)




【追記】

さっき、気付いていた事を思い出しました!!!
衣装が、小峰リリーさんなんです。
蜷川幸雄さんの舞台やコンサートなど様々な活躍をされている方で、ちょっと気になっていたのですが・・・

未來さんのヒラヒラが、好きです。彼の動きの幅をすごく広げてくれます。
ちょっと、「タイタス・・・・」の小栗さんを思い出しました。好きだったなぁ、あの赤いマントを翻すシーン。。
私、ヒラヒラに弱いのかなぁ(^^;

すみません、戯言でした(苦笑)

*1:ワタクシもそんな感じです。はい。すみません(汗